— Super-Linear 1DD+5BA/“V寄りのW”で輪郭と土台を両立 —

金属フェイス+樹脂シェルの質感
提供:KEEPHIFI 様── 提供元の依頼内容とブランド公称に配慮しつつ、実機に基づく使用感を率直に記載します。
本レビューは、KEEPHIFI(@hulang9078)様より提供いただいたサンプルでのレビューです。KEEPHIFIは、人気オーディオブランドのイヤホン・ケーブル・アクセサリを取り扱う専門ストアで、「Spend Less, Enjoy Hi-Fi(手頃に、Hi-Fiを楽しむ)」というコンセプトのもと、入門〜中価格帯を中心に幅広い製品を展開しています。特に定番から新興ブランドまで取り扱いが広く、リリース初期から国内の情報を迅速に届ける体制を整えている点も特徴です。
最新の販売チャネルやブランド情報は、KEEPHIFIの公式リンクツリーにて確認できます。キャンペーンや新入荷の告知も集約されているため、価格動向のチェックにも便利です:
KZ(Knowledge Zenith)は、多ドライバー構成のIEMを多数展開する中国のオーディオブランド。コストパフォーマンスと積極的な技術更新で知られ、入門〜中価格帯を中心に幅広い層に向けた製品をラインナップしています。直近世代では、ダイナミックとBAの組み合わせをより綿密に制御する設計が進み、帯域の分担と定位の安定を両立させる方向に磨きがかかっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | KZ |
| 製品名 / 型番 | ZS12 PRO 2 |
| ドライバー構成 | 1DD(10mm Super-Linear)+5BA(ハイブリッド) |
| BA型番 | 30019×1、31736×4 |
| 筐体 | 金属フェイスプレート+樹脂シェル(合金FP) |
| ピン規格 | 0.78 mm 2-pin(QDC) |
| 接続バリエ | 3.5mm(マイク有/無)/Type-C(サウンドカード・マイク付) |
| カラー | Silver/Black |
| インピーダンス | 35 Ω |
| 感度 | 109 ± 2 dB |
| 周波数応答 | 20–40,000 Hz |
| ケーブル仕様 | 銀メッキ線(ダブル並列)/3.5mm L字/長さ 120 ± 5 cm |
| SKU | KZ90945E2S-ZS12PRO2 |
注:記載はメーカー公称値および実機確認に基づきます。購入時は販売ページの最新情報を確認してください。
ピン規格について: 本機は0.78 mm 2-pin〈QDC〉です。KZは旧〜中期モデルに0.75 mm採用例も多いため、既存ケーブル流用時は規格確認を。

開梱:外装を開いたところ(内容物配置)

開梱:付属品一式(イヤピ/ケーブル 3.5mm)

外箱(表):ZS12 PRO 2 ロゴ/構成表記

外箱(裏):「0.78 mm」下線強調でピン規格を明記。KZは0.75採用世代もあるため流用時は要確認。

筐体 正面:面取りとロゴの仕上げ

筐体 裏面:ノズル形状とベント配置

端子部:0.78 mm 2-pin〈QDC〉のアップ

おなじみの付属カード

いつものケーブル

いつものイヤピ:フジツボ系

セットアップ:TRI TK1経由の3.5mm

セットアップ:BTR17 経由の3.5mm
| 項目 | 実測/備考 |
|---|---|
| 左右重量(本体・イヤピ無) | 11.08 g(実測) |
| ピン規格 | 0.78 mm 2-pin(QDC) |
| 付属イヤピ | S/M/L |

重量:左右合計11.08 g(本体・イヤピなし/実測)。
軽さとミニマルな筐体で取り回し良好、長時間の装着でも負担が少ない。

注:3k帯が強く、聴感上は“上寄り(ブライト)”に見えやすい傾向。測定FRと体感がずれる場合があります。
エージングにより低域の下支えがわずかに増し、実聴はメーカーのFRイメージに接近。上中高域の見通しは維持しつつ、音量・装着・イヤピで2–3 kHz帯のエネルギーの感じ方は可変です。

メーカー提供の周波数特性イメージ(実測ではありません/個体・装着・測定条件により変動します)
最初に手に取った段階では、寒色寄りの「明快V」。2–3 kHz 帯のエッジが前に出て、特に女性ボーカルは場面によって硬さが顔を出す――この第一印象はXにもそのままポストした。ところが、数日しっかり鳴らし込むと様相が変わる。10 mm DD の“床”が腰を据え、ミッドベースの面でテンポを押し出し、サブベースが空気をゆっくり押す量感として立ち上がる。結果、実聴の見え方はメーカーのFRイメージに素直に接近しながら、聴感上は「V寄りのW」へ移行。2–3 kHz 帯の見せ方が前寄りで焦点が合い、下支えの密度が増したぶん寒色感は落ち着く。小音量では輪郭が崩れず、音量を上げても帯域の均衡は破綻しない。外出時の環境ノイズ下やFPSの足音の“見やすさ”はそのままに、ロック/EDMでグルーヴの底圧が明確に伝わる現在地――線(分離・視認性)に面(量感・余韻)が実体として伴った。
量感は中量域を明確に超え、ミッドベースの面でリズムを力強く押し出す。サブベースは床として継続的に感じられ、キックの頭とベースの根は“太い線”で結ばれる。立ち上がり/戻りは俊敏で、テンポの前進力にコシが乗るタイプ。連打でも粒立ちは崩れず、タム移動の重量感が一拍ごとに沈む。小音量ではタイトに骨格を保ち、音量を2〜3クリック上げると空気の押し込みが前景化してグルーヴの底流が現れる。フォーム系イヤピでは沈み込みと床鳴りが厚くなり、クラブ系の超低域や映画BGMのLFEも不足しにくい。それでも過剰に滲まず、ローが厚いミックスでもマスキングは最小限。スピードと制動を軸に、実体感のある押しで牽引できる低域に仕上がっている。
曲例(低域の推進/沈み込みの確認に):
・TK from 凛として時雨「memento」:ドラムの瞬発力と減衰の短さを見るのに向く
2–3 kHz 帯がやや前寄り。語頭の子音が素早く立ち、その直後を母音の面が支えるため、言葉の輪郭が途切れない。エージング後は下からの支えが整ったぶん、2–3 kHz 帯の存在感は活かしつつ耳当たりは落ち着く。男声は胸声の濁りが乗りにくく、女声は鼻腔成分が白濁する手前で止まる。アコギ/ピアノは和音の面が崩れず、ハモりとの距離感がつかみやすい。エレキの歪みは粒径が細かく、コードの分離を保ったまま前に出る。コンプ強めのポップスでは子音のエッジが前景に出るが、土台の量感がつくことで突き刺さりに振れない。
曲例(母音の面/子音の立ちの確認に):
・マカロニえんぴつ「星が泳ぐ」:歌の焦点が前に合うかの見極め
BA群の分担で粒立ちは均質。ハイハットやライドは切り返しが俊敏で、倍音は白化せず素直に伸びる。主に8–10 kHzで見晴らしを作り、12 kHz以降は“空気”としてうっすらと乗る程度。ピーク配置は実用域に収まり、歯擦は“境界で止める”方向で過剰に前景化しない。粗い録音のヒスや意図ノイズも誇張しにくく、ホール系リバーブでは初期反射とテールが分離して読めるため、残響量が多い曲でも輪郭が崩れない。天井は過度に高くはないが、情報密度が上がる局面でもステレオの“壁面”は保たれ、音像が横へ滲みにくい。エッジの鮮明さは維持しながら、下支えの低域が整ったことで耳当たりは軽く、長時間でも聴取負荷が増えにくい。音量を一段上げても高域だけが突出せず、EQで1–2 dB触れる程度の微調整にも素直に追従する――“見通し”と“許容量”のバランスが良い高域だ。
曲例(エッジと抜けの確認に):
・ヨルシカ「春泥棒」:弦の倍音が白くならないか、天井の見通し確認
横方向は素直に広がり、前後は“手前で像が結ぶ”タイプ。センターの据わりが強く、音量を上げてもボーカルやスネアの座標が流れにくい。パン移動は直線的で端から端までスムーズ、定位の軌跡にギザつきが出ない。高さ方向は必要分だけ持ち上がり、シンバルや上物が天井に貼り付かずに気配として浮く。
リバーブは初期反射とテールの層がきれいに分離し、ホール系でも輪郭が溶けず“壁面”が残る。音数が増えるサビや多重コーラスでも主旋律が埋もれず、対旋律や効果音の位置関係が取りやすい。小音量でも骨格が崩れず、環境ノイズのある場面でもセンターが迷子にならない。
実用面では、FPSの足音や左右の遠近、ライブ音源のステージ配置が素早く描ける“地図を即時に引ける”見え方。結果として、視認性が高く、長時間でも目線(耳線)の移動が楽な音場・定位だ。
曲例(定位/パンの確認に):
・Ado「私は最強」:多要素密度でもセンターが流れないか判定
電子クロスオーバーとBAの帯域分担が自然に噛み合い、背景の静けさが保たれるぶん微小情報がすっと浮き上がる。トランジェントはキレが良く、立ち上がりは機敏、減衰は秩序立って退くため、残響の尾や空調ノイズの手前の“気配”まで見分けやすい。押し込みで圧すタイプではなく、テンポの前進力と細かな強弱の階調(マイクロダイナミクス)で魅せる方向。定位の整理が速く、パンや対旋律の出入りが重なる局面でも像が絡まず、視点移動が直感的にできる。コンプ強めの密度の高いミックスでも、主旋律は半歩手前に留まり、装飾や残響は左右と奥に整然と退く――結果として、情報量と見通しの両立が保たれている。
曲例(多重数と微細音の共存確認):
・Mrs. GREEN APPLE「ブルーアンビエンス」:小さな起伏の“押し/戻し”=マイクロダイナミクス
本機は多ドラで情報密度が高い個体のため、ケーブルや出力系で“逃げ場”を作ると聴きやすさが大きく改善します。

リケーブル:NICEHCK MixDNA 4.4で中低域の土台+高域の逃げ
KZ ZS12 PRO 2は、タイトで圧のあるミッドベースが“押しと戻り”を等間隔で刻み、曲全体を前へ転がすグルーヴ感が魅力。サブは沈み込みすぎず床として粘り、ビートの足場を常に確保する。3k付近のフォーカスがボーカルの芯をカチッと前に据え、言葉のエッジが流れないから、歌とビートが同じ歩幅で進む。高域はBA群の分担で粒立ちは均質、ハイハットやライドの切り返しは俊敏で、倍音は白くならずスッと伸びる。電子クロスオーバーが効いて帯域の分離が整い、主旋律/対旋律/装飾が“重ならずに並ぶ”ため、密度が上がっても視点移動は直感的。音場は横方向が素直に開き、センターの据わりは強固。パンは直線的で、ステレオの“壁面”が崩れにくい。小音量でも骨格が保たれ、中音量で最も開き、大音量でも土台だけが気持ちよく加速する。結果として、タイトな推進力、3kのボーカル・フォーカス、マルチドライバ由来の分離感が噛み合い、“心に刺さる気持ちよさ”を毎回しっかり再現する一本。
また、私の経験からは初期のエージングを強く推奨します。










