項目
実測/備考
左右重量(本体・イヤピ無)
11.08 g(実測)
ピン規格
0.78 mm 2-pin(QDC)
付属イヤピ
S/M/L
重量:左右合計 11.08 g (本体・イヤピなし/実測)。 軽さとミニマルな筐体で 取り回し良好 、長時間の装着でも負担が少ない。
🎶 音質レビュー
注:3k帯が強く 、聴感上は“上寄り(ブライト)”に見えやすい傾向。測定FRと体感がずれる場合があります。
エージング により低域の下支えがわずかに増し、実聴はメーカーのFRイメージに接近。上中高域の見通しは維持しつつ、音量・装着・イヤピで2–3 kHz帯のエネルギーの感じ方は可変です。
メーカー提供の周波数特性イメージ(実測ではありません/個体・装着・測定条件により変動します)
最初に手に取った段階では、寒色寄りの「明快V」。2–3 kHz 帯のエッジが前に出て、特に女性ボーカルは場面によって硬さが顔を出す――この第一印象はXにもそのままポストした。ところが、数日しっかり鳴らし込むと様相が変わる。10 mm DD の“床”が腰を据え、ミッドベースの面でテンポを押し出し、サブベースが空気をゆっくり押す量感として立ち上がる。結果、実聴の見え方はメーカーのFRイメージに素直に接近しながら、聴感上は「V寄りのW」へ移行。2–3 kHz 帯の見せ方が前寄りで焦点が合い、下支えの密度が増したぶん寒色感は落ち着く。小音量では輪郭が崩れず、音量を上げても帯域の均衡は破綻しない。外出時の環境ノイズ下やFPS の足音の“見やすさ”はそのままに、ロック/EDMでグルーヴの底圧が明確に伝わる現在地――線(分離・視認性)に面(量感・余韻)が実体として伴った。
📢 低域
量感は中量域を明確に超え、ミッドベースの面でリズムを力強く押し出す。サブベースは床として継続的に感じられ、キックの頭とベースの根は“太い線”で結ばれる。立ち上がり/戻りは俊敏で、テンポの前進力にコシが乗るタイプ。連打でも粒立ちは崩れず、タム移動の重量感が一拍ごとに沈む。小音量ではタイトに骨格を保ち、音量を2〜3クリック上げると空気の押し込みが前景化してグルーヴの底流が現れる。フォーム系イヤピでは沈み込みと床鳴りが厚くなり、クラブ系の超低域や映画BGMのLFEも不足しにくい。それでも過剰に滲まず、ローが厚いミックスでもマスキングは最小限。スピードと制動を軸に、実体感のある押しで牽引できる低域に仕上がっている。
曲例(低域の推進/沈み込みの確認に): ・TK from 凛として時雨 「memento」:ドラムの瞬発力と減衰の短さを見るのに向く
一言:厚塗りせず、歩幅を揃える推進。
🎤 中域
2–3 kHz 帯がやや前寄り。語頭の子音が素早く立ち、その直後を母音の面が支えるため、言葉の輪郭が途切れない。エージング 後は下からの支えが整ったぶん、2–3 kHz 帯の存在感は活かしつつ耳当たりは落ち着く。男声は胸声の濁りが乗りにくく、女声は鼻腔成分が白濁する手前で止まる。アコギ/ピアノは和音の面が崩れず、ハモりとの距離感がつかみやすい。エレキの歪みは粒径が細かく、コードの分離を保ったまま前に出る。コンプ強めのポップスでは子音のエッジが前景に出るが、土台の量感がつくことで突き刺さりに振れない。
曲例(母音の面/子音の立ちの確認に): ・マカロニえんぴつ「星が泳ぐ」:歌の焦点が前に合うかの見極め
一言:芯を前に、にじみを抑えて言葉が入る。
✨ 高域
BA群の分担で粒立ちは均質。ハイハット やライドは切り返しが俊敏で、倍音 は白化せず素直に伸びる。主に8–10 kHzで見晴らしを作り、12 kHz以降は“空気”としてうっすらと乗る程度。ピーク配置は実用域に収まり、歯擦は“境界で止める”方向で過剰に前景化しない。粗い録音のヒスや意図ノイズも誇張しにくく、ホール系リバーブ では初期反射とテールが分離して読めるため、残響量が多い曲でも輪郭が崩れない。天井は過度に高くはないが、情報密度が上がる局面でもステレオの“壁面”は保たれ、音像が横へ滲みにくい。エッジの鮮明さは維持しながら、下支えの低域が整ったことで耳当たりは軽く、長時間でも聴取負荷が増えにくい。音量を一段上げても高域だけが突出せず、EQで1–2 dB触れる程度の微調整にも素直に追従する――“見通し”と“許容量”のバランスが良い高域だ。
曲例(エッジと抜けの確認に): ・ヨルシカ「春泥棒」:弦の倍音 が白くならないか、天井の見通し確認
一言:刺さる手前で止めて、抜けは確保。
🌌 音場 / 定位
横方向は素直に広がり、前後は“手前で像が結ぶ”タイプ。センターの据わりが強く、音量を上げてもボーカルやスネアの座標が流れにくい。パン移動は直線的で端から端までスムーズ、定位の軌跡にギザつきが出ない。高さ方向は必要分だけ持ち上がり、シンバルや上物が天井に貼り付かずに気配として浮く。
リバーブ は初期反射とテールの層がきれいに分離し、ホール系でも輪郭が溶けず“壁面”が残る。音数が増えるサビや多重コーラスでも主旋律が埋もれず、対旋律や効果音の位置関係が取りやすい。小音量でも骨格が崩れず、環境ノイズのある場面でもセンターが迷子にならない。
実用面では、FPS の足音や左右の遠近、ライブ音源のステージ配置が素早く描ける“地図を即時に引ける”見え方。結果として、視認性が高く、長時間でも目線(耳線)の移動が楽な音場・定位だ。
曲例(定位/パンの確認に): ・Ado「私は最強」:多要素密度でもセンターが流れないか判定
一言:見通し良好、センター安定。
電子クロスオーバーとBAの帯域分担が自然に噛み合い、背景の静けさが保たれるぶん微小情報がすっと浮き上がる。トランジェントはキレが良く、立ち上がりは機敏、減衰は秩序立って退くため、残響の尾や空調ノイズの手前の“気配”まで見分けやすい。押し込みで圧すタイプではなく、テンポの前進力と細かな強弱の階調(マイクロダイ ナミクス)で魅せる方向。定位の整理が速く、パンや対旋律の出入りが重なる局面でも像が絡まず、視点移動が直感的にできる。コンプ強めの密度の高いミックスでも、主旋律は半歩手前に留まり、装飾や残響は左右と奥に整然と退く――結果として、情報量と見通しの両立が保たれている。
背景:黒が保たれ、リバーブ 末尾が濁りにくい。
分離:同帯域の重なりでも輪郭が残る。主旋律と対旋律が追いやすい。
ダイナミクス :細かな起伏から大きな押し込みまでの階調が素直。
曲例(多重数と微細音の共存確認): ・Mrs. GREEN APPLE 「ブルーアン ビエンス」:小さな起伏の“押し/戻し”=マイクロダイ ナミクス
一言:整えて見せる鮮明。
🧭 バランス(聴きやすさの作り方)
イヤピ選び :フォーム系でサブベースの床と減衰の丸みを加え、SE帯の刺さり気配を緩和。厚肉シリコンは輪郭保持重視。
3.5mmシングルエンド :輪郭先行で視界は明るいが、音量を上げるとSE帯が近づく場合あり。ゲインを1段下げる/出力インピーダンス の低い経路を優先 。
4.4mmバランス :ヘッドルームと空間の張り出しが増え、同じ高域量でも“逃げ場”が生まれる 。定位整序と聴取疲労 の低減に有効。
🔌 リケーブル相性
本機は多ドラで情報密度が高い個体のため、ケーブルや出力系で“逃げ場”を作ると聴きやすさが大きく改善します。
リケーブル: NICEHCK MixDNA 4.4 で中低域の土台+高域の逃げ
付属ケーブル(3.5mm/銀メッキ・ダブル並列) :輪郭重視で解像を素直に提示。録音次第ではSE帯(シビランス域)が近く、音量を上げると硬さを感じる場面あり。
4.4mmバランス化(例:BTR17 4.4) :ヘッドルームと空間の張り出しが増し、全体的に耳あたりが緩和。定位が整理されボーカルは半歩だけ下がり、全体の視認性が向上。
NICEHCK MixDNA(4.4mm) :中低域の土台がわずかに厚く、サブベースが顔を出す。高域の伸びは保ったまま高域が空間へ自然に逃げる感覚が得られ、長時間でも楽に聴ける方向。
🎁 付属・バリエーション / 対応メモ
バリエーション:3.5mm(マイク有/無)/Type-C(サウンド カード・マイク付・ゲーム向け)
ケーブル:0.78 mm 2-pin(QDC)着脱式
カラー:Silver/Black
SKU:KZ90945E2S-ZS12PRO2
今回の検証個体:Black / 3.5mm(マイクなし)
✅ 良い点
低域は締まりを保ちつつ推進力が得られやすい。ビートの等間隔が伝わる。
ボーカルの芯が前に出やすく、言葉の輪郭が取りやすい。多重コーラスでも主旋律を見失いにくい。
高域は透明感と引き際の良さで長時間でも疲れにくい傾向。楽器の倍音 が整う。
1DD+5BAの分離で多音数でも視点がぶれにくい。小音量でも骨格が保たれる。
⚠️ 留意点
装着によって密着が揺れる場面があるためイヤピ選定が重要。サイズと素材で最適化を推奨。
音量やソースによっては歯擦が近づく場面がある。高出力環境ではゲイン設定の見直しが有効。
性能を引き出すには有線USB/バランス駆動など余裕づくりが有効。駆動力のあるDAP やドングルで表情がさらに整う。
筆者の個体は到着直後は低域(ミッドベース〜サブ)がかなり薄い状態だった。同様の症状を確認したらまずはエージング をお勧めする。
🎵 総評
KZ ZS12 PRO 2 は、タイトで圧のあるミッドベースが“押しと戻り”を等間隔で刻み、曲全体を前へ転がすグルーヴ感が魅力。サブは沈み込みすぎず床として粘り、ビートの足場を常に確保する。3k付近のフォーカスがボーカルの芯をカチッと前に据え、言葉のエッジが流れないから、歌とビートが同じ歩幅で進む。高域はBA群の分担で粒立ちは均質、ハイハット やライドの切り返しは俊敏で、倍音 は白くならずスッと伸びる。電子クロスオーバーが効いて帯域の分離が整い、主旋律/対旋律/装飾が“重ならずに並ぶ”ため、密度が上がっても視点移動は直感的。音場は横方向が素直に開き、センターの据わりは強固。パンは直線的で、ステレオの“壁面”が崩れにくい。小音量でも骨格が保たれ、中音量で最も開き、大音量でも土台だけが気持ちよく加速する。結果として、タイトな推進力、3kのボーカル・フォーカス、マルチドライバ由来の分離感が噛み合い、“心に刺さる気持ちよさ”を毎回しっかり再現する一本。
また、私の経験からは初期のエージング を強く推奨します。
お読みいただきありがとうございました!
💰 価格・販売情報
30% OFF クーポン
有効期間:2025-11-14 00:01 〜 2025-11-20 23:59(
JST )